野菜を育てていると、収穫しそこねてた野菜が、畑の中で枯れていってしまうこともある。

 

実や花や茎や根が食べられるかどうかだけで、植物の一種であることに違いない。例えば、緑のゴーヤが黄色くなって、やがてその実が爆ぜて赤い種をこぼしながら枯れてゆく。例えば、薹が立ったアブラナ科のキャベツやらが菜の花を咲かせて、やがて種をつけて枯れてゆく。

 

これが本来あるべき姿であり、彼らにしてみれば人間様においしく食べられるより、植物としての一生涯をきちんと全うできたほうが幸せなのかもしれない。

 

畑で育っている野菜のその一部を採取して、それを放っておいて腐らせれば多少なりとも後ろめたさや罪悪感を感じたりするのにね。収穫したか、しないかだけでこの違いは何なのか。他の植物となんら変わらない最終形態を見る度にそんなことを思う。