隣人は知る由もなく壁越しに夢をひっさげ生きております

浮く肩に手を添えながら力まずに抜かなきゃダメと君が教えた

修正はしなくてもいいそのままで残しておいて君の痕跡

言語化に長けた君から紡がれた思考のうねり追いつきたくて

ハワイアンキルトのような原色を海の向こうの君にあげたい

その人のネイティブじゃない音階を聞き分けているローカルな耳

凡庸を抜け出す君の伸びしろは岩を砕いて千代に八千代に

咲きながら自我が芽生えるようにして金木犀は散ってしまった

 

 

 

――憧れ、信頼、そして微かな不安。 第1章「壁越しの夢」は、光を追いかけ始める瞬間を描いた8首です。

 

これらの歌の背景にある「物語」や、制作における「構造の解剖」については、noteにて詳しく綴っています。▶ [『大輪となる』構造解剖 | 第1章:壁越しの夢

次章、第2章「不協和音」へ続きます。