【字幕解説入り】
先日の記事でも書いたが、「キエフ・バレエ」が、ウクナイナで行われた最新公演の無料公開していたので観ていた。演目は「白鳥の湖」
子供の頃にバレエを習っていた時は、あらすじさえも理解していなくてただ訳もわからず踊っていただけだった。自分でも随分とぼんやりしたものだと呆れちゃうのだけど、あの時のあの踊りはこういうことだったのかいうのがだんだんと解るようになったのは、バレエを辞めてからずいぶん時を経てからだった。
そんな私がバレエって面白いもんなんだなと素直に思うになったのは、母に誘われて観に行ったモンテカルロバレエ団の公演だった。チュチュを身に着けた男性ダンサーのユーモラスな動きにバレエに対するイメージがガラリと変わった。そしてもうひとつ。テレビで放映されていたとあるバレエ公演の映像。どこのバレエ団なのかもわからないんだけど、演者はもちろん舞台セットや照明、衣装あらゆるものの美しさに目を奪われた。
ロココ調の舞台セット中で美しく踊るバレニーナ。感じたことをそのまま書けば、高価なドールハウスの世界。舞台全体が格調高い華美な箱のようで、その中で美しき人形たちが動いているかのようだった。ああバレエというのはこういう世界観を表現するものなのかなんて勝手な解釈で思ったのだけど、それが正しいのかはわからない。ただ、そんなことがあってバレエへの好感度は一気に高まった。
というわけで、バレエといえばあのドールハウスの世界観を味わいたい私としては、カメラアングルはなるべく引きのほうが有り難くて好みなのかもしれない。もちろん表情とかもみたいだけど、映像を観ながらのあくまでも個人的願望。
小さな白鳥 (4羽の白鳥)とか自分も踊っていたので懐かしかったんだけど、たまに何かの映像でプロの動きを目にする度にリズムの取り方とかこんなだったけってぐらい記憶にあるものとは別物。そんなの当たり前なんだけど、記憶に残っていたイメージと違い過ぎてプロの踊りって凄いなと毎回思う。
白鳥の湖のあらすじをざっくりと説明すると、ジークフリート王子と悪魔ロットバルトによって白鳥に姿を変えられてしまったオデットの物語。なんだかんだあって2人は惹かれ合うものの、ロットバルトの仕向けた罠によって、オデットそっくりのオディール(ブラックスワン)に誘惑されてしまうジークフリート王子。
オデットを裏切ることになってしまったジークフリート王子は、ロットバルトと対戦して勝利するものの、オデットへの呪いは解けない。絶望したジークフリート王子とオデットは、来世で結ばれるために命を絶つという悲劇。・・・というのが一般的によく知られているあらすじなんだけど、「キエフ・バレエ」の公演ではそこがハッピーエンドで終わっていた。元来、悲劇は悲劇としてあってほしい派だけど、今のご時世だからこそなんだかそんなところにホッとしている自分がいた。
どの役もクオリティーが高くて素晴らしかったけど、清楚なオデットと妖艶なオディールの演じ分け、悪魔ロットバルトの怪しげな表情とキレのある動き、背筋をピッと伸ばしたジークフリート王子家庭教師の優雅な立ち振る舞いが特に印象に残った。「くるみ割り人形」や「雪の女王」も公開されているみたいなので、また観てみようと思う。
※この記事について
ウクライナやロシア関連の芸術文化に触れてみることで、両国のことをより深く知っていけたらという趣旨で書いています。☆ ウクライナまたはロシアのどちらかを肩入れするものではないし、国際情勢に対する個人的な見解を示すものでもないことをご理解ください。
追伸・ おまけ
バレエを習っていた頃の私