
泣き顔を一度ぐらいは見たかった夕陽に霞むタータンチェック
あるがまま白色光にさらされた顔が映って洗面を拭く
甘やかに勘をにごらせ自滅する憂いばかりを寄せるぬかるみ
のったらと先越されては跳ねおきて石につまずく迷路のウサギ
溶けあわず群れたがらない異分子が愛されたいと浮遊する闇
それなりの場数を踏んでいる君が呷り続けているハイボール
遙かなる影のまだらを跨ぐとき名もなき傷も舞台へと舞う
残された手札の中のジョーカーに触れたらそれは骨で立つこと
ライブには行かないことを決めたのは記念日だった前日の夜
絶対に退けないと君の言う天王山をここで観ている
一石はやがてうねりを呼ぶだろう 君はどこかで大輪となる
この章では、失われたもののあとに残った言葉や記憶を手がかりに、自己が再び立ち上がっていく過程を描いています。
これらの歌の背景にある「物語」や、制作における「構造の解剖」については、noteにて詳しく綴っています。▶連作 [『大輪となる』構造解剖 | 第3章:大輪となる
次章、第4章「玻璃のうつわ」へ続きます。
