浮舟は有漏路(うろじ)を逃れ 黄泉(よみ)へ誘(いざな)う 君の待つ処

白々(しらじら)と月明かり 水面(みなも)たゆたう

 

冬ざれにほとぼりはなく 形(かた)なき 赦しより

名を乞いあまつ欲しがりて 玉響を追う おろかにも

 

月の光はまやかしか おぼろになれど

忘るることが できようか

 

 

浮舟は有漏路を逃れ 果てへ流るる 君の待つ処

鈍色(にびいろ)の月雫(つきしずく)  水面たゆたう

 

冬ざれの花は朽ち果て 形(かた)なき ねばたまに

名を乞いあまつ欲しがりて 玉響を追う おろかにも

 

月の名残はまやかしか おぼろになれど

忘るることが できようか

 

 

月の光はまやかしか おぼろになれど

忘るることが できようか 玉響の君