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- 【今日の短歌】青ぶだう唇にふれつつ思ふことおほかたは世に秘すべくあるらし (葛原妙子)
- 【今日の短歌】ゆくへなく月にこころのすみすみて果はいかにかならむとすらむ (西行)
- 【今日の短歌】かすかなるカルキが匂う脱衣場にたましいまで脱ぐわれかも知れず(斉藤真伸)
- 【今日の短歌】小夜さよ深ふけにさきて散るとふ稗草のひそやかにして秋さりぬらむ(長塚節)
- 【今日の短歌】二百十日の雨瀧のごとくにおちたれば海のただなかに島は濡れゐる(橋本徳壽)
- 【今日の短歌】いそぎつつ朝は出てゆく街角に咲きて久しき百日紅の花(古泉千樫)
- 【今日の短歌】少しひらきてポテトチップを食べている手の甲にやがて塩は乗りたり(内山晶太)
- 【今日の短歌】焼きたてのチーズケーキが息をする鉄の型より外されるとき(山本夏子)
- 【今日の短歌】秋来ぬと目にはさやかに見えねども風の音にぞ驚かれぬる(藤原敏行)
- 【今日の短歌】夏雲の君の不安のかたまりが溶け出し僕が満杯になる (松村正直)
- 【今日の短歌】まことにも暑し暑しと口にしていへば紛るる土用の暑さ(窪田空穂)
- 【今日の短歌】雑踏の中でゆっくりしゃがみこみほどけた蝶を生き返らせる(木下龍也)