子供のころウチにあった7段飾り。「それ、右大臣と左大臣のが逆!!」「五人囃子の太鼓どこにしまった⁈」なんてやいのやいの言いながら、母と妹と一緒に飾りつけをしていました。

 

段を組み立てるところからはじまり、細々とした人形の髪飾りに帽子や小道具、飾るのは見た目以上に手間がかかります。

 

毎年の恒例行事を少し面倒に思いながらも、飾り終わるとホッとしてやっぱり綺麗でいいなぁとしばし眺めるお雛様。日が傾くにつれて、薄暗い六畳部屋に飾られたお雛様のあの白い顔に感じたちょっとした怖さ。それを思い出します。

 

年月とともにいつしか飾られなくなってしまったお雛様は、もう我が家にはありません。住宅事情などで各家庭の段飾りが見られなくなったかわりに、いろんな場所でひな祭りのイベントが行われるようになりましたよね。これも時代だなぁと思います。

 

 

静岡県・可睡斎にて