時折、心の奥底に秘めた感情や本音が渦巻くときがあります。それはまだ成熟しきっていない本音のようなものがほとんどで、とても人前で公開できるようなものではありません。もし自分の思考を […]
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【今日の短歌】雑踏の中でゆっくりしゃがみこみほどけた蝶を生き返らせる(木下龍也)
蝶々結びは完璧にできても、その蝶はすぐにほどけてしまいます。子供の頃からその度にしゃがみこんで結び直してきたのですが、どんなに固く結んでもまたほどけてしまいます。時が流れてもこの現象は変わらず、ほどけにくい […]
【今日の短歌】いにしへの奈良の都の八重桜けふ九重ににほひめるかな (伊勢大輔)
こちらの地方ではソメイヨシノはすっかり散ってしまいましたが、八重桜が綺麗に咲いています。遠くからだとポンポンみたいな丸っこいフォルムが可愛らしくて、近くで見るとした八重の花弁がこんなにも美しいことに毎回ㇵッ […]
【今日の短歌】よもの山に木の芽はるさめふりぬればかぞいろはとや花のたのまむ(大江匡房)
よもの山に木の芽はるさめふりぬれば かぞいろはとや花のたのまむ 大江匡房 四方の山々に木の芽を膨らませる春の雨が降れば、父よ母よと、花はこの雨を頼りにするのだろうか。 断続的に雨が降ったりとす […]
【今日の短歌】ありがとうなんて言うのも今さらのような気がするけどありがとう (俵万智)
失ってから初めて気づく、当たり前が当たり前じゃなくなることの喪失感というのは、何の前触れもなく突然にやってきたりします。当たり前に享受している感謝すべきことに目を向けているつもりでも、これからも幾度となく経 […]
【今日の短歌】 茶碗など黙って洗う涙とはたまれば自然におちる液体 (畑 彩子)
このシチュエーションに至るまでの境遇は知る由もないけど、悔しい思いをしたり、何らかの理不尽な目に遭ったのでしょうね。自分も同じように涙を堪えきれなかったことがあったから痛いほど共感できます。勤務中ならなおさ […]
【今日の短歌】秋日ざし明るき町のこころよし何れの路に曲りて行かむ (窪田空穂)
秋日ざし明るき町のこころよし何れの路に曲りて行かむ (窪田空穂) 気温差が激しいのは相変わらずですが、清々しい青空が広がって気持ちがいいです。今日はいつもとは少し違うことをしてみようか。そんな […]
【今日の短歌】しゃべりつつ言葉を選ぶ立ち止まりムーンウォークをする感じにて (佐佐木幸綱)
受け答えするのにも、場合によっては頭の回転と瞬発力を要します。追いつかなくても、喋りながらも脳をフル回転させそれなりに言葉を繋ぐのですが、そんなときはどこか頭の中がフワフワしています。それこそ月面を歩くかの […]
【今日の短歌】ト音記号を最後に書きしはいつなりしか広げし白紙に雨音ひびく (河野裕子)
台風の影響もあって、今日は全国的に雨模様。こちら東海地方はすでに梅雨入りしておりますが、関東方面も梅雨入りしそうですね。さっきから大粒の雨が降っていて、激しめの雨音が聞こえてきます。強弱でいえ […]
【今日の短歌】もののふの八十(やそ)娘子(をとめ)らが汲み乱ふ(まが)寺井の上の堅香子(かたかご)の花 (大伴家持)
豊橋市・西川城址(カタクリ山)にて もののふの八十娘子らが汲み乱ふ寺井の上の堅香子の花 大伴家持 たくさんの乙女らが寺の井戸で水を汲んでおり、その傍らに可憐に咲くカタクリの花よ たくさんの乙女らが寺の井戸で […]