静かに微笑む母方の祖母の遺影に、おそろく花菖蒲だろうと思われる花がぼんやりと写っていました。背景としてぼんやりと写っていたその花が、なぜかとても印象的で心に深く刻まれました。だから、私にとっての花菖蒲は“祖母の花”です。

 

賀茂しょうぶ園より

 

 

祖母は「となりのトトロ」に出てくるカンタ君のおばあさんに、雰囲気がよく似ています。喋り方も声も。その声で、私に会うたびに「大きくなったねぇ」と目を細めて言いました。身長なんて中学から変わっていないけど、なぜか必ずそう言いました。

 

声といえば、心臓の手術を受けたとき、気管挿管のせいでしばらく声がしゃがれていたんですけど、そのときの声が自分でも驚くぐらい祖母そっくりの声だったんです。

 

そうすると不思議なもので、物マネしているわけでもないのに喋り方とかだんだんそれらしくなっていくのが自分でもわかりました。しまいには祖母が自分に乗り移ったんじゃないかというぐらい。

 

あれはなんだったんだろう・・・。

 

花菖蒲を眺めながら、そんなことを思い出していました。

 

花菖蒲の種類は、大まかに「江戸系」「長井系」「肥後系」「伊勢系」「古種」「米国種」「雑種」などに分けられます。

 

 

賀茂神社

徳川家康ゆかりの神社。長篠・設楽原の合戦の際には、この神社に勝利を祈願したと言われています。

夏越の茅の輪くぐり

無病息災を願って・・・。

 

※オフィシャルサイトより

写真を撮り忘れてしまったけど、三方原の戦いで武田軍に追い詰められた家康が、この楠に隠れて難を逃れたとされています。