ファンとしてはぜひ読みたかった「内村光良のリーダー論」を読了。リーダーシップ、チームマネジメント、コーチング、自己マインドの4つの観点から、内村光良という人物を通して優れたリーダー像とはどういうものかを解析したのが本書。内村光良を良く知る関係者に取材を重ね、彼らの言動から紐解かれたリーダー論がコンセプトになっている。
広告マーケティングの企画・制作の仕事をしている筆者は、現場を和やかに盛り上げ、隅々にまで気を配るウッチャンの立ち振る舞いを目にして感動を覚え、それが本書を執筆するカッキケとなったようだ。長年ファンをやっている私も、画面を通じてそういた一端を度々目にし、それがウッチャンファンとなった大きな要因ともいえる。
「変わることが悪いとは言わないが、根っこの部分は変えちゃあいかん。根っこは深く張るもんたい」
以前、「life~人生に捧げるコント~」という番組内で、ウッチャンの半生をモチーフとした朝ドラ風のコントドラマ「夜の連続テレビ小説 うっちゃん」が放送された。ウッチャンをモデルとした内原てるおが主人公で、少年期、青年期、中年期の三部構成となっている。
経験が浅いうちから冠番組を持つようになり、そのプレッシャーで悩める内原青年に、留守電にてウッチャン演じる父親が檄を飛ばしたのが上記の台詞。総集編ではカットされているぐらいのワンシーンなのだけど、「理想の上司」の代名詞ともなったウッチャンの生き様がそこに集約している気がして、個人的にはとても印象に残っている。
台詞を体現し、深く深く根を張っているからこそ理想であり続けることができるのだろう。私が最も尊敬している理由であり、そのすべてが詰め込まれているような本だった。