このところの朝晩の冷え込みに、会話の端々に「今年の秋は短い」といった声が聞かれるようになりました。かと思えば、日中になると上着を脱ぐぐらい暑かったりもして。一日の気温差が激しいので着る服に迷いますね。
私が住んでいるのは治郎柿の産地。なので、私にとっての新緑といえば柿の木の黄緑であり、秋ともなればどこからともなく柿のお裾分けがやってくるというとても身近な存在。柿の葉の色鮮やかな黄緑が大好きな私。薫風に揺れる柿の葉は見るからに柔らかそうで、日を追うごとにだんだんと厚みを増し深緑に色づいていくとなんだか少し残念な気持ちにもなります。
ただそのころには可愛らしい実が付き初め、その実がだんだんと大きくなってオレンジに染まっていくのを見るのもそれはそれで同じくらい好きだったりするんですけどね。毎日のように見ている柿の葉は秋が深まるにつれどんどんと落ちていき、そんな風に自然と柿の木を眺めながら暮らしているので、やはり「柿の落葉深く」には心惹かれるものがあります。
秋といえば露の時期ですが、敢えて「露しとしとと」と気温の落差を物語ることで、今朝の寒さに驚かされたことをより際立たせているところが巧いなと思います。