
「オールド・パー讃歌」
くるくるのパー爺さんの瓶を空けて地球の回転をあじわって居り
くるくるのパー爺さんの絵の顔を神かとおもう丑三つどきは
トーマス・パー爺さんのウイスキーくちびるあかき君とし飲めり
トーマス・パー爺さんの白き髭よ私の髭も白さ増しにけり
われ信ずパー爺さんははしけやし一五二年を生ききりしという
今年は、梅酒に次いで枇杷酒も作って、たまにちびちびと飲んでいます。もともとお酒はパスタなどに合わせてワインをほんの少しとか、そんな感じでほとんど飲まないタイプ。でも、せっかくなのでちびちびと。毎年恒例となった葛の花酵素シロップも作ったんですけど、それと枇杷酒をカクテルにしてみたら思いのほか美味しくて感動。ただ、葛の花酵素シロップはそのまま置いておくとどんどん発酵してアルコールになってしまうので、長く置けないのが少し残念。あと、中村梅雀さん主演の「BARレモン・ハート」というドラマが好きで観ていたりして。
そんなふうに生活がお酒づいているなぁと思っていたときに知ったのが、佐佐木幸綱氏の『オールド・パー讃歌』でした。オールド・パーといえば、あの特徴的なロゴのラベル。昔、父がよく飲んでいてリビングにあったなぁとか、そんなことを思いながら。そして浮かんでくるのは髭のトーマス・パー爺さん。

「われ信ずパー爺さんははしけやし一五二年を生ききりしという」というように、トーマス・パー爺さんは152年も生きたという伝説の持主。
伝えられるところによれば、パーは1483年にシュルーズベリー近郊(推定ウィニングトン)に生まれ、1500年頃陸軍に入隊した。80歳になって結婚し、一男一女をもうけたが、いずれも幼くして死んだ。自身はその長命の理由を菜食主義と節度のある暮らしにあると考えていた。とはいえ、105歳のときにキャサリン・ミルトンという女性との間に不義の子をもうけ、処罰された。最初の妻と死別した後、122歳の時にジェインという女性と再婚した。 wikipediaより
トーマス・パー爺さんの伝説を「われ信ず」と言えるかどうかはさておき、それくらいパワフルな人物だったのでしょう。にしても、80歳になって結婚し、一男一女をもうけ、105歳でさらに子供をもうけるなんて・・・凄すぎる。ウイスキーの「オールド・パー」は、そんなトーマス・パー爺さんにあやかろうとつけられた名前だとされています。
「くるくるのパー爺さんの絵の顔を神かとおもう」「白き髭よ私の髭も白さ増しにけり」という表現には、何とも言えない飾らない人間味と哀愁がありますよね。老いと時間、人生の味わいを、讃えているように感じられて、私はとても好きです。












