今回ご紹介する本は、ライブドア事件で日本経済に多大な影響を与えたホリエモンこと堀江貴文氏の「多動力」です。ホリエモン氏のイメージは、とにかく「無駄が大嫌い」で効率を重視する感じ。本を読んでみて、ある意味そのまんまでした。
「仕事はリズム」であり、そのリズムを崩すものは敵というスタンス。強制的に作業を中断させる電話にはじまり、無駄に長いメール、本の感想もわざわざ足を止めさせてまで伝えることではないという徹底ぶり。とにかく自分の時間を奪われるが我慢ならないといった感じ。
そこまで過敏ではないにしても、私もリズムを崩されるのは苦手。とたんに調子がくるってイラっとすることはよくあるので、その気持ちはよくわかります。
とにもかくにも、「意味のないこと」「無駄」を排除して効率化することによって他にできることがあるよ、やりたいことができるよというのが、ホリエモン氏の主張。
とある本の中で、堀江氏のことを「報酬にこだわる“ドーパミン的価値観”の依存者である」と書かれていました。ライブドア時代の堀江氏には、私も同じような印象を抱いていました。
しかし本を読んでみると、むしろ全く逆の方向に突き進んでいるのではないかという気がします。先ほどの「効率重視」も“報酬”のためというよりは、好きなことやしたいことをするためにもっと頭を使ったり、行動した方がいいとそういうことが書かれています。
好きなことは徹底してやれ、「サルのようにハマリ、鳩のように飽きよ」それがいわゆる「多動力」
つまり、居心地とか環境とかやりがいとかにこだわる“セロトニン的価値観”をストイックなまで貫こうとしているのが堀江氏であり、それを邪魔するものは徹底的に排除していくというのがホリエモン流のやり方なのだと思うのです。
興味無深かったのは、原液の話。昔は、カルピスといえば濃い原液を水で薄めて飲むものでした。それと同じように、たとえばメディアが取り上げたり、今こうやってブログで取り上げているのも「多動力」という原液があって、それを薄めて広げている行為。そういう「原液」となるものを作れというものです。
そう、インフルエンサーと呼ばれる人達は、必ずこの「原液」を生み出して発信しているんですよね。いわゆるレバレッジを効かせることで本人が動かなくとも、シンテムが勝手に仕事をしてくれて何倍にもなって帰ってくるというね。
ビジネスの基本ともいえるけど、これが当たり前にできる人って本当にすごいと思います。発信する以上、いつかは自分もそうでありたいし目標とするところです。
あと、生産性のない会議は時間の無駄というのも本当にその通りだと思います。
無駄な会議をやめる三原則
- 解決したい問題を明確にする
- 必要な情報を集める
- 感情論を排しロジカルに判断する
このプロセスは、会議の場だけではなく問題を解決する方法として最も効率的で役立ちそうです。
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堀江氏が「時間を奪われる」のを極端に嫌うのように、人によって地雷や尊重すべきものはさまざま。例えば、目の前の相手を無視してスマホをいじるのは無礼だと感じる人もいるわけで、どれが正しくて間違っているというのはそれぞれの価値観で一概に言えないんじゃないのかなと。そこが自分とは考え方が違うなと思った点。
他者に配慮を求めるのなら、自分も同じように聞く耳を持ったり、時には自分と違う価値観を尊重し歩み寄ることも必要で、それが本当の意味で多様性を認めるということなのではと思うからです。
自分の価値観だけを一方的に押し付けるのはフェアじゃないし、まして何の脈拍もないまま俺の地雷を踏むなといきなりキレられたのでは相手だってたまったもんじゃないし。少なくともやんわりと「伝える」という最低限のコミュニケーションは必要不可欠なのではというのが私の考えです。
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各章に、「JUST DO IT やってみよう」というコーナーがあって、「手掛けているプロジェクトをすべて書き出してみよう」となどといったような、実践すべきことが具体的に書かれています。これはぜひやってみたいと思うのがいくつかありました。
いくらいいことが書かれてもインプットするだけでは何にもならないので、これだと思うものは実践してアウトプットしていきたいと思います。これぞ多動力(笑)
では、また~。