本日は、紅花が咲き初める「紅花栄(べにばなさかう)」 外のみに見つつ恋ひなむ紅の末摘花の色に出でずとも 詠み人知らず 遠くから眺めてお慕いしましょう。末摘花のように色に出ることはなくとも。 […]
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【今日の短歌】花散らふこの向つ峰の乎那の峰の州につくまで君が齢もがも (作者未詳)
花散らふこの向つ峰(お)の乎那(おな)の峰の州(ひじ)につくまで君が齢(よ)もがも 作者未詳 花の散っている向こうにある乎那の峰が風化し、やがて州となって湖に浸かるほどに、あなたにはどうか長く生きていてほしい。 万葉集 […]
【今日の短歌】月月に月見る月は多けれど月見る月はこの月の月 (詠み人知らず)
月月に月見る月は多けれど月見る月はこの月の月 詠み人知らず 月ごとに月を見ており月を見る機会は多いが、月を見るというならこの月の月だろう。 旧暦では8/15が中秋の名月であり、この月とはどの月 […]
【今日の短歌】このゆふべ降り来る雨は彦星の早漕ぐ船の櫂の散沫かも (詠み人知らず)
このゆふべ降り来る雨は彦星の早漕ぐ船の櫂の散沫かも 七夕の今日に降る雨は、彦星が急ぎ漕く゛船の櫂があげる飛沫であろうか 七夕の日に降る雨を「洒(催)涙雨」といいますが、さっきまで雨が降っていま […]
【今日の短歌】ほととぎす鳴くや五月のあやめぐさあやめも知らぬ恋もするかな (詠み人知らず)
ほととぎす鳴くや五月のあやめぐさあやめも知らぬ恋もするかな 詠み人知らず ホトトギスが鳴き、五月ともなればあやめぐさも咲くが、物事の筋や分別のつかない盲目的な恋をしてしまったものだよ 暗がりな […]
【今日の短歌】藤波の咲く春の野に延ふ葛の下よし恋ひば久しくもあらむ (詠み人知らず)
藤波の咲く春の野に延ふ葛の下よし恋ひば久しくもあらむ 詠み人知らず 藤の花が咲く春の野に蔓延る葛のように、心の中で慕っているばかりでは、この恋が成就するのは遠い先のことになってしまうでしょう […]
【今日の短歌】なにか思ふなにかは嘆く世の中はただあさがほの花の上のつゆ (詠み人知らず)
なにか思ふなにかは嘆く世の中はただあさがほの花の上のつゆ 詠み人知らず 何をそんなに嘆いておられるのか 世の中なんて朝顔の上の露ほどあっけなく儚いものなのに 藤原清輔の「袋草紙」に釈教歌 (清 […]