【映画】七つの会議

本当はそんなつもりはなくて別日のつもりだったんですけど、休みで何をしようかと思ったときにふと時計を見たら･･･あっ、もしかしてこの時間ならファーストショーに間に合うんじゃない？と。思い立ったら早い方がいいと、１人で車を飛ばして行ってきました。

舞台となったのは、東京建電という中堅メーカー。営業部は、花形で抜群の業績を上げている営業一課と、型落ちの製品を押し付けられノルマ達成に苦しむ二課という構図が出来上がっていました。二課の課長である原島万二は、会議のたびにやり玉にあげられ怒号を浴び、執拗なプレッシャーに耐える日々。

そんな中、涼しい顔で居眠りばかりしているのが、一課に在籍するぐうだら社員の八角民夫。通称・居眠りハッカク。一課長の坂戸宣彦はそのぐうだらぶりを激しく叱責するのですが、逆に八角からパワハラで訴えられることに･･･。このことで、坂戸は地方へと飛ばされ、原島が一課長へと抜擢されます。

思わぬ八角の反撃と、有能で多大な貢献をしてきた坂戸に対する厳しい処分に妙な違和感を感じる原島。さらに、社内での不穏な動きのすべてに八角が関与していることを知った原島は、八角の行動を追うことに･･･。その裏側には、とんでもない秘密が隠されていた･･･というものです。

＊＊＊

セリフ回しとか“間”とか、現代というよりもむしろ時代劇を彷彿とさせるような独特な演出と世界観。「半沢直樹」「下町ロケット」「陸王」などといった数々の池井戸作品を手掛けたTBSドラマの制作チームとあって、そこはもう「TBSの池井戸作品といったらこれでしょう」といった感じで期待通りでした。(笑)

キャスト陣もおなじみの顔ぶれが揃っていて超豪華ですし、顔芸ぶりも健在です。濃いベテラン勢が顔圧と眼力をぶつけ合いながらさすがの演技力を見せつけている中で、オリラジの藤森さんや朝倉あきさんといった若手がほどよい清涼剤の役割を果たしていてそのバランスがいいなと思いました。

＊＊＊

業績をあげるためなら詐欺まがいの強引なやり方を強要し、立場を守るためなら人命が危険にさらされようが部下に責任をなすりつけ隠蔽する･･･。この手のことは、大なり小なり現実社会でも起きていることでよくニュースにもなっています。

組織を維持する重圧と誤った企業倫理に“洗脳”されてしまった結果、こういうことを平然とやってのける体質になってしまうことが何より怖いなぁと思います。