
連作「伝説のヒト」
冷ややかな泥の底こそ本物の火種はあると伝説のヒト
正しさを救いとろうと滲み出る不協和音の染みが七色
たぶらかすネオン至上に魅せられて何を手向ける蜉蝣の波
摘まれたら痛いヤグラの昼下がりオヒアレフアの雨に打たれて
ため息がビュッフェのように並ぶなら招待状を送ってここに
言語化に長けた君から紡がれた思考のうねり追いつきたくて
寂しさも気配をぜんぶ抱き込んで生まれた熱に名前をつけて
セッションは稀代の才に呑まれたと思えるまでの追体験で
心音をワイングラスに沈めたら流れるように飲み干してみて
悪目立つ君が笑えばフリージア着の身着のまま楽しめば勝ち
前作「大輪となる」が、夢追い人への共鳴を描いた連作だとすれば、「伝説のヒト」は、憧れと羨望の入り混じった応援歌です。物語として進む「大輪となる」に対し、こちらはひとつの存在を中心に感情が放射していく構造を持ち、両者は対をなす関係にあります。
これらの歌の背景にある「物語」や、制作における「構造の解剖」については、noteにて詳しく綴っています。連作 [『伝説のヒト』構造解剖 |
