【今日の短歌】先まくりいま二夜をば満てずしてくまなきものは長月の月 （藤原俊成）

先まくりいま二夜をば満てずしてくまなきものは長月の月　藤原俊成
(満月にはまだ)先で、二晩を残し満ちてはいないが隈なく照らされているのは長月の月である

長月とは旧暦の9月のことであり、「二夜をば満てずして」つまり十三夜月のことを指しています。別名、後の月（のちのつき）や「豆名月」「栗名月」などともいいます。中秋の名月を見て、十三夜月を見逃すと「片見月」と呼ばれ、地方によっては縁起が悪いとされることもあるそうです。

今宵の月は「くまなき」ではなく、うっすらと雲がかかっている状況ですが、これはこれで趣があっていいものです。ネットの情報がなかったら、おそらく今日が十三夜月ということを素通りして、ただただボケッと月を眺めているか、片見月になっていたんだろうなぁ^_^;