【オートクチュール】

拭えないものに触れられそうになる うなじにあたるタグの縫い目は
いつの日か回収されていくはずの付箋だらけのレディメイドたち
ヤワだからなんかじゃなくてはみ出して破れたのですこの靴下は
好きにしていいひな形を渡されて自分サイズにフィッティングする
消えないで仕舞われるだけ 残り香のようにフワッと袖がふれたら
ちぎられて花占いをするように繕っているオートクチュール

 

 

 

衣服にまつわる言葉をたどりながら、既製のもの、はみ出すこと、仕立て直すことを詠んだ連作です。形を与えられたものと、自分に合う形。破れることと、繕うこと。

 

それぞれの言葉が重なり合うなかで、どんなかたちが残るのでしょうか。

 

noteでは、一首ごとの言葉の配置や動作に注目しながら、連作全体の構造を読み解いています。