一線をバグらせるのは気狂いのプロパガンダで歪んだモラル

リプライで漂白剤をぶちまける似非ヒーローが蠢いている

火炙りの刑に処すべく合法に遂行されるヘイトスピーチ

何もかも見てきたような口ぶりで押し付けられる固定観念

お気に召すままにかつての逸材が考えなしになぞるノウハウ

正論をこじらせながらシンプルに生きたいだけのゆらぎを鳴らす

歯車になりたがらない異端児のどうでもいいに倣う潮の目

やまれずに修羅へ修羅へと向く舵とジェリコの薔薇が抉る胸底

頭ごとこちらを向ける蟷螂の点と点とに宿る何者

深追いはしない主義だという君のジャックナイフが捨てられて雨

筋書きの狙い通りになすがまま尻尾を曲げるノラの遠吠え

 

 

 

この章は、喪失のあとに残された言葉を握りしめ、自己の輪郭として定着する瞬間を描いています。

 

これらの歌の背景にある「物語」や、制作における「構造の解剖」については、noteにて詳しく綴っています。▶連作 [『大輪となる』構造解剖 | 第2章:不協和音

 

次章、第3章「大輪となる」へ続きます。