【ヴァニタス】

永遠にならないものでできているヴァニタスとしてこの世を渡る

できることできないことの境目で生あたたかい  途絶えるまでは

朽ちてこそそれが美徳というわりに由々しきことと衰えるたび

見落としたふぞろいたちのこれまでを無駄にするなと叱られながら

濁さずにいられなかった来し方をここに記して生かされている

 

 

 

髑髏、枯れた花、消えかけた蝋燭。

 

「ヴァニタス」と聞くと、そんなものを思い浮かべるかもしれません。永遠ではないもの。朽ちていくもの。いつか途絶えるもの。

 

永遠にならないものは、ただ「消えていくもの」なのだろうか。むしろ私たちは、最初からそういうものによってできているのではないか。そう考えると、「有限であること」は、欠けていることではなくなります。

 

できることと、できないこと。生あたたかいという温度。朽ちていくことへの違和感。そして、見落としていた「ふぞろいたち」のこれまで。最後に残るのは、それらをここに記すということでした。

 

永遠にするためではなく。消えないものにするためでもなく。ただ、そこにあった時間を無かったことにしないために。【ヴァニタス】は、そんなところからできた連作です。

 

今回のnoteでは、五首それぞれを追いながら、この連作の中で動いている構造について書きました。よかったら、連作とあわせて読んでみてください。