【花いちもんめ】

 

花いちもんめ

唯一のものを誰もが持っていてあの子と違うこの子と違う

通りゃんせ  貴方じゃないとはじかれる正門があり耳介のかたち

虹彩をはぐらかすそのカラコンに相談しましょ  花いちもんめ

 

声紋

抑揚がニュートラルでも拾われる すまし顔したデンシ信号

音域のゆらぎは波形  迂回するバイオリズムの襞まで転写

答えには辿り着かない人型のパスコードとは夜のスキャット

壊したくないって壊すものだから逃し続けるバイタルサイン

 

 

 

 

童歌のノスタルジーと、電子信号や波形、パスコード、バイタルサイン。

 

一見すると、かなり離れた場所にある二つの連作ですが、「違い」や「識別」というところから、思いがけないつながりが見えてきます。身体のかたちから虹彩へ、そして声や波形へ。人を見分けるための情報は増えていくのに、それだけでは「その人」そのものには辿り着けない。そんなところから、この二つの連作をあらためて読み直しています。

 

「花いちもんめ」から「声紋」へ移っていく過程については、noteにまとめています。よろしければ、作品とあわせて読んでみてください。