現実としてあまりない光景だと思うんです。ナメクジが紙のうえを這っていくって。例えば、コップについていた雫の落ちた先がたまたまそのような場所だったとか。政治家の顔写真を泣き顔に変える存在としては、そのほうが自然な気もします。

 

でも、それだと目に留まってもさらっと流していたかもしれません。私の感情が動いたのは、ぬめっとした一匹のナメクジによるものでした。心をざわっとさせるナメクジが、素通りさせずに掲出歌にとどまらせたのです。

 

 

多少のことでは揺らがない政治家の情に、一石を投じているようにも見える一匹のナメクジ。

 

こういう情勢になってつくづく思うのは、個々の事情を察ながら汲み取って対応するほど、政治や社会の仕組みは甘くも全能でもないということ。本来ならそういう不完全な部分を掬いとって伝えていくのがメディアの役目なのでしょうが、残念ながらその機能が果たされているとはいえません。

 

ならば自分たちできちんと伝えて知ってもらうことをしていかなければ、後回しにされたりなかったことにされてしまうこともあるんだなと、そんなことを思います。あるいは「言われなければわからないよ」と気づかれることもなく淘汰されてしまう・・・。

 

なんだかなぁと思うことが多くて、つい不平不満をぶつけたくなるのは山々だし、言ったところでどうにもならないこともいっぱいあるけど。それでもやっぱり、わかってほしいと思うならば、その思いが淘汰されないよう伝えるということはとても大切なことだと思うんです。もちろん内容にもよるし、あくまでも筋道を立てて冷静に。

 

SNSの拡散力や、言葉の力はあなどれません。一匹のナメクジの存在が心をざわつかせたように、無名のたった1人が投じた一石が、世論を動かした例もいくつかあります。そこまでしなくても、伝えるというその第一歩して、まずは選挙に行くということも立派な意思表示のひとつ。

 

私達の行動で、少しでも世の中が明るい方向へ進んでいけたらいいですね。

 

・・・というわけで、本日は「政治を考える日」ということで、政治に関連した一首を取り上げてみました。