11月になって6日が過ぎようとしている。その間に誕生日を迎え、母方の伯父が亡くなった。

 

心積もりはしていたし、理屈ではわかっている。けど、通夜を迎えてもどこか現実味がない。焼香が終わると、スクリーンが下ろされて伯父の笑顔が次々に映しだされる。亡くなった祖母(伯父にとっての母親)の時と同じ演出。あの時、伯父は「ああいうの見ちゃうとダメだね」と言いながら涙を流していた。

 

入院していた祖母の見舞いに行けば、そこには母親に寄り添うように語り掛けていた伯父の姿があった。情が深く、穏やかで優しい伯父だった。

 

若かりし頃の伯父。私たち姉妹が小さかった頃、お風呂で一緒に水鉄砲やシャボン玉をつくったりしながら遊んでくれた。仕事をしながらも「よく来たね」と言いながら、なんだかんだと相手をしてくれた。

 

大根おろしは、円を描くように擦ると細かくなり、直線でゴシゴシ擦ると粗くて辛くなる。そう教えてくれたのは伯父だった。なので大根おろしを擦るときには、いつも伯父を思い出す。そんな淡く小さな思い出が蘇る。

 

伯父を亡くした実感は、スイッチが入ったかのようにいきなりやってきた。ああいうの見ちゃうとダメなのは私も同じだ。