今日はいつになく星が綺麗に見える。燦然と輝く木星から少し離れたところに見えるのはプレアデス星団。またの名を“昴”。あるようなないような。でも確かな煌めきがそこにはあって、目を凝らせばなんとも宝石を散りばめたような美しさ。視力が悪い今はかすかに見えるだけだけど、かの清少納言の枕草子にも「星はすばる」とあるように、妙に惹きつけられるそんな星。

 

キラキラな星、金色のお月様、綿あめみたいにふわふわな雲、七色にかかる虹の橋。届くはずもないのにすぐそこにあるような気がして、決して届くことはないとわかっていながら、すっと手を伸ばしたくなる。

 

背のびしてむらさき葡萄採るやうに冬の昴を盗みたし今 築地正子