夜の世界が広がるようなイメージや、月の神秘的な雰囲気を感じさせる美しい韻律。これはヨックモックの「シガール」というお菓子を詠んだもので、ヨックモックデジタルギャラリーに掲載されている短歌です。シガールといえば、薄焼きのクッキーが巻物のように丸まった姿が特徴的です。しばらく口にしていませんが、記憶を辿ると、豊かなバターの風味とサクッとした歯ごたえが思い出されます。

 

シガールの缶についても思いを巡らせてみました。「夜色の缶」とありますが、どんな色だった?と画像を探してみると、ヨックモックの深い紺色の缶が出てきました。それを見て、なるほどと納得しました。そして、何よりも中に入っているシガールのひとつひとつが、月の巻物にふさわしく気品を漂わせていることに改めて気づかされました。シガールって、こんなに神々しいお菓子だったのですね。

 

缶を開ける瞬間、まるで夜の世界が広がるように感じられ、その中から現れるシガールの姿は、月の光をまとった巻物のように美しく・・・。一口食べれば、豊かなバターの風味とサクッとした食感が口いっぱいに広がり、その美味しさに思わずうっとりとしてしまう・・・。確かにシガールといえばそれなりのお値段ですが、単に価格の問題ではなく、なんとも優雅な光景が浮かんでくる言葉の魔力に、すっかり魅了されてしまったようです。

 

お菓子をただパクッと食べるのと、こんな風に心豊かに食べるのとではきっと味わいは違うんでしょうね。きっと優雅さとはこうした瞬間の積み重ね。このような美しい旋律になるべく触れながら、なるべくそういう豊かな心持ちでいたいなと思うのです。