花弁がついたまま落下していく八重の桜。御衣黄桜もそのひとつ。御衣黄の由来にもなった萌黄色は茶色く色褪せ、ひっそりと散っていました。よろづのことも、初め終はりこそをかしけれ。吉田兼好がいうように、満開の桜もい […]
「今日の短歌」の記事一覧(21 / 43ページ目)
【今日の短歌】たんぽぽはまぶたの裏に咲きながら坐れり列車のなかの日溜まり (内山晶太)
私って、基本的にまぶたの裏に入ってくる光は苦手なほうではあるんです。夜は特にそうで、できるだけ暗くしないと眠れないんです。日中も、昼寝をするときは部屋のカーテンを閉めます。 でね、名古屋まで電 […]
【今日の短歌】花見にと群れつつ人の来るのみぞあたら桜のとがにはありける (西行)
花見にと群れつつ人の来るのみぞあたら桜のとがにはありける 西行 (美しさゆえに) 花見に人が押し寄せてくるのが、桜の罪なところである 「花見にと群れつつ人の来る」ことは、ゆったりと桜を楽しめないという他にも […]
【今日の短歌】山蕗のまだやはいうちを摘みとつてうれしいこんなに指がよごれて (谷とも子)
蕗って「やはいうち」がしっとりして美味しいんですよね。今のうちにと思って、畑の脇に自生している蕗を使って、蕗ご飯や蕗の煮物、蕗の葉味噌を作ったりしています。毎年恒例の春の味覚です。 蕗は灰汁が […]
【今日の短歌】悲しみのほむら燃ゆると思ふまで色たちてくるかたかごの花 (岡野弘彦)
「悲しみのほむら燃ゆる」方へと「色立つ」と考えれば、この場合の「色たちてくる」は、濃くなるのではなくその逆のような気がするんです。カタクリの花が大好きで、毎年のようにその可憐な姿をレンズに収めているのですが […]
【今日の短歌】今年より春しりそむる桜花ちるといふことは習はざらなん (紀貫之)
今年より春しりそむる桜花ちるといふことは習はざらなん 紀貫之 今年より春を知った(今年に花を咲かせた)桜花よ。他の花々がそうであっても散るいうことは習わないでほしいものだ。 地方によってはソメ […]
【今日の短歌】菜種梅雨やさしき言葉持つ国を歩む一人のスローモーション (俵万智)
この記事を書いている今日は、雨が降ったり止んだりのどんよりとした天気。しばらくはすっきりしない天候が続きそうです。 「菜種梅雨」とは菜の花の時期に降り続く雨をさす言葉ですが、そろそろそんな時期にさしかかって […]
【今日の短歌】いいんだよライブで歌手がまちがえてそれを愛してしまった耳よ (山階基)
私も同じ。楽しませようとしてくれるのなら、まちがえようがなんだろうが「いいんだよ」ってなるから、共感でしかないですわ。 「ライブは生もの」だしね。そういうのもひっくるめてのライブであり醍醐味。 […]
【今日の短歌】大玉のキャベツざくざく切るときに窓に近づく春の雲あり (関谷啓子)
少し前に大玉の寒キャベツを2つもいただきまして、そんな中で春キャベツが次々と収穫期を迎えている我が家の畑。他所様が育てた寒キャベツを消費しつつ、我が家で育てた春キャベツは誰かにおすそ分けするというね、謎の現 […]