【今日の短歌】美しき球の透視をゆめむべくあぢさゐの花あまた咲きたり（葛原妙子）

画像としては薄曇りが一番美しく、雨にしっとりと濡れるのが似合うのが紫陽花だと思っています。晴天に咲く紫陽花もまた良し。色のコントラストが映えて心奪われます。いよいよ紫陽花の季節が到来しましたね。

掲出歌のフィルター通して見る紫陽花はキラキラとした光を放ってまた魅力的です。透き通った輝きを帯びた少しだけ歪な球体は、水晶のように未来すらも映し出しそう。それは幻想でありながら、心で見なければ見えない何かを奥底に映しているような気もして、じっくりと覗き込んでみたくなります。

完全な球体になれないのは紫陽花も人間も同じ。「大切なことは目に見えないんだよ」サン・テグジュペリの『星の王子さま』にあるの名言を思い出します。