叔母の墓参りを兼ねた花めぐりで訪れた普門寺は、紫陽花寺として知られていますが、そこで思いがけず梅花藻に遭遇しました。梅花藻は大垣や米原に行かないと見られないと思っていたので、こんなに身近なところで咲いているなんて驚きました。何度も訪れているはずなのに、今までちっとも気が付きませんでした。

 

 

自宅療養になった叔母を見舞ったとき、青みを含んだきめ細やかな肌が、まるで薄い絹のように透き通って見えて美しくて驚いたのを覚えています。病床にいて紫外線に触れることがなくなったからなのか、血の気が引いているからなのか。清流の梅花藻のように、白くうつむいた喪の人はとても儚げで美しく見えました。

 

それよりも鮮明なのは、「誕生日なんだよ」と告げたときの、ハッとしてパッと顔を綻ばせて、私の手を握り「おめでとう」と言ってくれた白くて長い手です。時には涙をこぼしながら、何度も私の手をギュッと握ったその感触は、まるで今でも手のひらに残っているかのようで、忘れられません。