かたりあひて尽し丶人は先立ちぬ今より後の世をいかにせむ 山県有朋
共に語り合い(国のために)尽くしてきた人は先立ってしまった 。これより先(我が国を)いかようにすればよいのだろうか。
安倍元総理の国葬にて、菅義偉前総理が友人代表として弔辞を述べた際に引用されたことで話題になっています。暗殺された初代内閣総理大臣・伊藤博文を偲び、第3代及び第9第内閣総理大臣・山県有朋が詠んだもの。国際主義の伊藤博文と攘夷・軍国主義の山県有朋。思想の違いから対立することはあれど、互いに友人として良き相談相手だったようです。
内閣総理大臣に就任、元総理である盟友を殺害されるなど、菅義偉前総理と共通点の多い山県有朋。奇しくもその山県有朋が元総理であり盟友・伊藤博文に宛てた挽歌に、安倍元総理が蛍光ペンで印をつけていたというのは運命のいたずらというべきか不思議な縁を感じました。伊藤博文と山県有朋と安倍元総理大臣は同じく山口県出身であり、3人とも国葬という形で弔われているという点も含めて。
国葬の是非はともかく
総理、いま、この歌くらい、私自身の思いをよく詠んだ一首はありません。
菅前総理のこの一文と、一首の短歌がこれほどまで反響を呼んだことに、短歌の持つ底力をみたような気がします。
そして何よりも、安倍元総理のご冥福をお祈りします。