白き餅われは呑み込む愛染も私ならずと今しおもはむ
白い餅を私は呑み込んでおり、執着もなければ私ではないとたった今この瞬間も口にしている
年末になると年代物の餅つき機でお餅をつくのが恒例だけど、ご近所さんからお餅を頂いたこともあっていつもの量の半分ほど。だからというわけではないのですが、三が日を過ぎてようやくお雑煮を食べました。餅は好きです。
斎藤茂吉はといえば、口中にある餅をごくりとしている時にはもう次の餅を口にしているというのですから、いわずもなが相当な餅好きだったようですね。食べっぷりが目に浮かびます。
「愛染」とは、仏語で愛への執着、愛欲などといった意味があり、“ヤキモチ”もそのひとつなんでしょうな。「愛染も私ならず」とは、仏教の観点からすれば大胆だなと思わないでもないけど、愛染を司るとされている愛染明王は煩悩即菩提であり、煩悩即菩提とはざっくりいえば煩悩が悟りへとつがなるという概念なのだそう。
白き餅は、例えば酒や煙草などいろんなものに置き換われそう。過ぎたるは猶及ばざるが如しともいいますね。