やどりせし人のかたみか藤袴わすられがたき香ににほいつつ 紀貫之 我が家に泊まっていった人の形見かとも思う。藤袴の忘れがたい香りが漂っていれば。 秋の七草のひとつである藤袴。藤袴あるところにアサ […]
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【今日の短歌】花の香を風のたよりにたぐへてぞ鶯さそふしるべにはやる (紀友則)
花の香を風のたよりにたぐへてぞ鶯さそふしるべにはやる 紀友則 (梅の)花の香を風の便りに添わせて、鶯を誘い出す案内役としよう。 早咲きの梅がぽつぽつと咲き出しています。梅が咲くようになるといよ […]
【今日の短歌】 逢うことは雲居はるかになる神の音に聞きつつ恋ひわたるかな (紀貫之)
昨日は、七十二候の中では秋分の初候にあたる秋分の日。初候から5日間は「雷乃収声(かみなりすなわちこえをおさむ)」、すなわち暦の上では雷が収まってくる頃だと言われていますが、昨日は地元の愛知県は線状降水帯が発 […]
【今日の短歌】雨降れば色去りやすき花桜薄き心も我思はなくに (紀貫之)
雨降れば色去りやすき花桜薄き心も我思はなくに 紀貫之 雨が降れば色が抜け去ってしまう桜花みたいな、そのような薄い心で私はあなたを想っているのではないのです。 雨に打たれて色褪せてしまう桜花を見 […]
【伊勢物語】白玉かなにぞ・・・
今回は「白露」ということで、『伊勢物語』六段「芥河」に出てくる「露」にちなんだ一首です。 伊勢物語の冒頭は「昔、男ありけり」で始まることが多く、“男”の名は明確に記されてはいません。“男”のモ […]
【今日の短歌】今年より春しりそむる桜花ちるといふことは習はざらなん (紀貫之)
今年より春しりそむる桜花ちるといふことは習はざらなん 紀貫之 今年より春を知った(今年に花を咲かせた)桜花よ。他の花々がそうであっても散るいうことは習わないでほしいものだ。 地方によってはソメ […]
【自作短歌】ひっそりと幕をおろせばこの心知れることなく梅は香って (朝倉冴希)
人はいさ心も知らずふるさとは花ぞ昔の香ににほひける 紀貫之 訳:人の心はいざ知らず、ふるさとの梅は昔のままに香を放っています 「土佐日記」で知られる紀貫之のこの和歌。これにはこんな逸話がありま […]