「星よりも星のかたちに咲く」「めしべも五つに裂けて」実際の星よりも星形の完成形に忠実であり、花弁と雄蕊にひっぱられるように五裂するめしべ。桔梗という花の構造を正確に捉えてながら、造形の美しさを際立たせています。
桔梗というのは、まず花弁が開き、続いて雄蕊が開き、最終的に真ん中にある雌蕊が五裂して、受粉できるようになります。段階的に中心へ向かって開いていき、最終的に雌蕊が五つに裂けて開けば、閉じ込めていた宇宙の星をそっと覗かせてもらっているようです。俯瞰から見れば五芒星のような星形、内側をのぞき込めばそこにもまた星がもう一つ咲いている。
俯瞰したときにも、内奥を覗いたときにも、桔梗は星のかたちを二重に湛えており、その姿は星よりも星のかたちに咲く」という表現にまさしくふさわしいものだと感じます。