君をおきてあだし心を我がもたば 末の松山浪も越えなむ 詠み人知らず
あなたをおいて他所に気が移るようなことが私にあれば、あの末の松山を波が越えてしまうことでしょう。
宮城県多賀城市八幡にある「末の松山」は、津波がきたとしてもそこまでは波が越えることはないとされ、ありえないことの喩えとして用いられています。あの東日本大震災の時でも、末の松山まで波が到達することはありませんでした。
ただ自然相手に絶対なんてことはなく、日本各地が自然の猛威に翻弄され続け、昨今では地震が相次いでいる状況です。“末の松山”を波が越えるだなんて考えたくはないけど、大丈夫だろうの安全領域はいつか突破されてしまうかもしれない、そう想定して備えていかなければならないのかもしれませんね。
この週末は雨模様。被害が大きくなりませんように。
契りきなかた身に袖をしぼりつゝ末の松山浪越さじとは 清原元輔
約束したはずなのに。涙に濡れた着物の袖を絞りながら、末の松山を波が越すことがないのと同じように、心変わりはしないと。