ほととぎす鳴きつる方を眺むればただ有明の月ぞのこれる 後徳大寺左大臣 ほととぎすの鳴くほうを眺めてみれば、ただ有明の月が残されているだけである。 ここらでも、数日前からホトトギスの鳴き声が聞こ […]
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【今日の短歌】野辺みれば弥生の月のはつるまでまだうら若きさいたづまかな(藤原義孝)
野辺みれば弥生の月のはつるまで まだうら若きさいたづまかな 藤原義孝 春の野を眺めているうちに、弥生の月が昇るほどの時が過ぎていた。 そこにいたのは、まだうら若く、目を引くような「さいたづま」 […]
【今日の短歌】雪のうちに春はきにけり鶯のこほれる涙いまやとくらむ (藤原高子(二条后))
立春を迎えて、七十二候では東風解凍(はるかぜこおりをとく)。 暦のうえでは「春」ですが、冬将軍はむしろここからが本領発揮とばかりに、猛威を振るいそうです。明日あたりから最強寒波が迫っていて、また一段と冷え込 […]
【今日の短歌】いざ子ども山べにゆかむ桜見に明日ともいはば散りもこそせめ (良寛禅師)
いざ子ども山べにゆかむ桜見に明日ともいはば散りもこそせめ さぁ、子供たち。山へ桜を見に行こう。明日などと言っているうちに散ってしまうから。 今朝は警報級との予報だった桜散らしの雨。午後になって […]
【今日の短歌】秋風にたなびく雲のたえ間より漏れ出づる月の影のさやけさ (左京大夫顕輔)
中秋の名月ですね。 夕方に少し雲行きが怪しくなりかけたけど、少し時間が経てば煌々と輝いた満月が顔を覗かせてくれました。そして、わずかに雲が浮かぶ夜空にくっきりとした輪郭をしていた月がいつの間に […]
【今日の短歌】もの思へば沢の蛍もわが身よりあくがれ出づる魂(たま)かとぞ見る (和泉式部)
我が家からでもちらほらと見かけていたはずの蛍が、先日の集中豪雨に見舞われて以来、とんと姿を見せなくなってしまいました。先日、川辺にも行ってみたのですが、見かけたのは一匹だけ。滞在したのはごく短い時間だったけ […]
【今日の短歌】ただ頼めたのむ八幡の神風に浜松が枝はたふれざらめや (武田信玄)
ただ頼めたのむ八幡(やわた)の神風に浜松が枝はたふれざらめや 武田信玄 (ただ(一心に)頼めというままに神に頼もうとしている。八幡の神風によって、浜松の枝は倒れないことがあるであろうか。(いや、かならず倒れ […]
【今日の短歌】紅に深くにほへる桜花雨さへ降りて色を染めける (詠み人知らず)
紅に深くにほへる桜花雨さへ降りて色を染めける 詠み人知らず 紅がとても映える桜花に雨が降り、さらに色を染め上げている 今日は七十二候の桜始開(さくらはじめてさく)ですが、こちらではソメイヨシノ […]