【サークルルーラー】

 

サークルルーラー

あれは何  堰き止めながらそのままに流れるものを流せずにいる

追いかけてしまうのでしょう  ついばんで微笑むはずと投下していく

ご褒美はいらなかったの  待つことも見送ることもなく触れさせて

祝福はされるべきだと思わない?  ここにいるって差し出したなら子

やわらかな青と補色を歩き出す  まぶたの裏はあかるいままで

点々と途切れなければなぞられて一筆書きになれる気もして

形とか選べないけど回せるし円にはなれるサークルルーラー

くれぐれも邪魔はしないでくださいとどれもこれもが弧を描くギア

完全に揃えられないズレからの重なり合いで生まれる模様

 

カラクリ

次となる凸凹とが噛み合えば何周目でもたがわぬカリン

貫かん 中心線をアカガシはぶれさせもせず狂わせもせず

折れそうになって居直るここすぎてツゲはいつでも支点で動く

一服をしてはいかがとヒノキでは竹がしなれて桜は微笑い

さらされてさらされカタン  黒光るコクタンあれば動くカラクリ

 

 

 

詠み始めたときから「機械」を題材にしようと思っていたわけではなく、最初にあったのは、流したくても流せないものでした。

 

堰き止めながらそのままに流れるものを流せずにいる

 

そこから、何かを外へ投げ出す「投下」、差し出されたものを受け止めること、点と点がつながって線になり、やがて円になっていくことへと、少しずつ形を変えていきます。そして後半の「カラクリ」では、カリン、アカガシ、ツゲ、ヒノキ、コクタンといった木々が登場し、それぞれ違う性質を持ったものたちが、歯車のように噛み合いながら動いていきます。

 

完全に揃っているわけではない。むしろ、揃わないもの同士だからこそ生まれる動きがある。そんなことを、円や歯車、からくりという形に置き換えながら詠んだ連作です。詳しいことは、noteに綴っています。もし良かったら、覗いて見てください。