
【メトロノーム】
仮置きのメトロノームはいつまでもと不変であれよ 規則ただしく
決められた尺でどれだけ鳴らすかを試すかのよう胸の鼓動は
一定のリズムは決してとどまらずどこか粘度を試されている
それぞれのテンポを持って響き合うメトロノームよ そのままであれ
カチ、カチ、カチ。一定の間隔で刻まれるメトロノームの音と同じように、時間はどこまでも均一に流れているように思えます。
一秒は一秒。けれど、同じ一秒でも、それを生きている身体の側では、長く感じたり、あっという間に過ぎてしまったりすることがあります。外側では変わらない時間と、内側で変化する時間。そのずれから、この連作は始まりました。
メトロノーム、胸の鼓動、リズム、そして「粘度」。
一定であることを基準に置きながら、少しずつその基準を身体の側へ移していきます。最後に残ったのは、同じテンポになることではなく、それぞれのテンポを持ったまま響き合うことでした。
今回のnoteは、【メトロノーム】を一首ずつ読むだけではなく、四首がどのようにつながり、どこで視点が変わっていったのかを構造から振り返っています。一定の時間の中で、私たちはそれぞれ違う速度で生きている。そんな当たり前のようでいて不思議な感覚を、四首の中に置いてみました。
