恋しさだったり、祈りだったり、願いだったり。募る想いというのは内へ赴き、そして藤房のようにだんだんと重く垂れ込めるもの。当たり前にあったこれまでの日常を渇望し、想いを募らせていく中で、そのことをより深く実感 […]
「2021年4月」の記事一覧
【今日の短歌】藤波の咲く春の野に延ふ葛の下よし恋ひば久しくもあらむ (詠み人知らず)
藤波の咲く春の野に延ふ葛の下よし恋ひば久しくもあらむ 詠み人知らず 藤の花が咲く春の野に蔓延る葛のように、心の中で慕っているばかりでは、この恋が成就するのは遠い先のことになってしまうでしょう […]
【今日の短歌】片恋よ 春の愁いの一日をティッシュペーパーほぐして過ごす (服部真里子)
ティッシュペーパーをほぐしながら片恋よ・・・というよりは、花粉で鼻がグュショグシュでなんですけど。春は、とかくティッシュペーパーと大親友になりがちです。マブダチですわ。それでも一時よりは少し落ち着いてきたか […]
【今日の短歌】思い通り咲けぬさくらも混じれるか雨に散りたるあとを踏まれて (千々和久幸)
花弁がついたまま落下していく八重の桜。御衣黄桜もそのひとつ。御衣黄の由来にもなった萌黄色は茶色く色褪せ、ひっそりと散っていました。よろづのことも、初め終はりこそをかしけれ。吉田兼好がいうように、満開の桜もい […]
【今日の短歌】たんぽぽはまぶたの裏に咲きながら坐れり列車のなかの日溜まり (内山晶太)
私って、基本的にまぶたの裏に入ってくる光は苦手なほうではあるんです。夜は特にそうで、できるだけ暗くしないと眠れないんです。日中も、昼寝をするときは部屋のカーテンを閉めます。 でね、名古屋まで電 […]
【一口日記】木の芽時
ソメイヨシノがほぼ散ってしまうと、桜色の景色が一気に初夏めいてくる。気が付けば、まだ色薄い若葉が一斉に出始め、山々も模様替えでもしたかのように若草色をしている。久しぶりの晴天だったからか。やけに目につく黄緑がまぶしくて綺 […]