「ライナスの毛布」になって包んでいるのは主体なのか、夜なのか、あるいは“ひかり”なのか。主体なら包まれているのは(主体にとっての)ライナスだし、夜なら包まれているのは主体であり、“ひかり”なら […]
「2024年」の記事一覧(6 / 6ページ目)
【今日の短歌】春の土もたげて青むものの芽よをさなき物の育つはたのし(窪田空穂)
雨が凍てついた大地を潤し、草木が芽吹き始める「土脉潤起」です。 「をさなき物の育つはたのし」の一方で、枯色だった地面にポツポツと緑が生えてくれば、待ったなしに雑草との戦いが始まります。ウチの菜 […]
【今日の短歌】蕗の薹ひっこり湧きて自尊心いら立ち腹立ち知らぬさみどり (大下一真)
人に優しくありたいとは思うけど、寛容になれない時もあるし、イラっとくることもあるし。徳の高い人ほどそれらを上手に浄化してしまうんだろうけど、そこまでの器量を待ち合わせていない自分は簡単に揺さぶられてしまいま […]
【今日の短歌】林床の落葉や小石押しのけて節分草の芽は出るという (前田康子)
この時期に花を咲かせる節分草。 咲いているのはロープの内側だし、小さいうえに俯き加減だし、落ち葉や小石のせいでピントが合いにくいし。被写体としてはなかなか難易度は高いけど、それでもやっぱり会い […]
【今日の短歌】我こそは新じま守よ沖の海のあらき浪かぜ心してふけ (後鳥羽院)
丸谷才一氏の「思考のレッスン」を読んでいたら、後鳥羽院が隠岐で詠まれた「我こそは新じま守よ沖の海のあらき浪かぜ心してふけ」という御歌の話が出てきました。丸谷氏は「後鳥羽院」という本の著者でもあるのですが、「 […]
【今日の短歌】ひと束の水菜のみどり柔らかくいつしかわれに茂りたる思慕 (横山未来子)
水菜はもともと生で食べられるぐらい葉も茎も柔らかいのが特徴だけど、「みどり柔らかく」とあるからまだ出立てなのかと思います。ウチの畑でも水菜を育てているのですが、今がまさにそんな時期。サラダにしても煮浸しにし […]
【今日の短歌】静かなる雨に散りたる山茶花の踏まれやすきを踏むなりわれも (伊藤一彦)
私にとって、山茶花(サザンカ)はそこらじゅうで目にするとても身近で馴染み深い存在です。ご近所には山茶花の垣根のお宅がたくさんあるし、散歩がてらにたまに行く河川敷にも自生しています。道すがら花びらを何度も踏ん […]
【今日の短歌】マフラーに顔をうづめて大寒の街を急げり風に向かひて (喜夛隆子)
大寒ですね。「マフラーに顔をうづめて」「大寒の街を急げり」そんな姿があちこちで見受けられたのではないでしょうか。全国的に雨模様だったから傘を差しながらが多かったのかな。ここ東三河はこの時期にしては気温は高め […]
【今日の短歌】蕗の薹ほこと涌きたる地の温さ人は知らざりもの履きしより (大下一真)
今もやっているかどうかわかりませんが、母校の小学校では、当時「はだし教育」なるものをやっていました。かなり寒い時期でも裸足でグラウンドにいて、おかげでひどい霜焼けになってかゆくてかゆくて毎日半べそになってい […]