ぬばたまの黒髪変はり白髪(しらけ)ても痛き恋には逢ふ時ありけり 沙弥満誓 黒髪に変わって白髪の生えるそんな歳になっても、痛みを伴うような切ない恋に出会ってしまうものなのですね 沙弥満誓は、大伴 […]
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【今日の短歌】九月のしぐれの雨の山霧のいぶせき我が胸誰を見ばやまむ (作者不詳)
九月(ながつき)のしぐれの雨の山霧のいぶせき我が胸誰を見ばやまむ 作者不詳 9月の時雨の雨で山が霧がかったように気が晴れない私の胸の内は、いったい誰を見たら晴れるのでしょうか 台風の影響もあっ […]
【今日の短歌】世の中に麻は跡なくなりにけり心のままの蓬のみして (北条泰時)
すべての人間は“善”として生まれ、“悪”は後天的なものであるというのが孟子の性善説。人間は未熟で弱い生き物というのが根底にあり、だからこそ“悪”に走らぬよう正す努力を怠ってはならないという性悪説を唱えたのか […]
【今日の短歌】こもごもに郁子(むべ)と通草(あけび)をとり食みて郁子がよしちふこの子があはれ (北原白秋)
「むべなるかな」の郁子(むべ)は、不老長寿の実として縁起がいいとされています。かの天智天皇が近江へ行幸された際に、地元の老夫婦に長生きの秘訣を訊ねたところ「これを食べているからでございます」と差し出されたア […]
【今日の短歌】ふと見れば大文字の火ははかなげに映りてありき君が瞳に (吉井勇)
もう何十年も前になりますが、一度だけ京都にて五山送り火を見たことがあります。一期一会という言葉がありますが、そのときにたまたま近くにいた家族連れの方達といろいろお喋りしたのを覚えています。五山送り火は点火す […]
【今日の短歌】青玉のしだれ花火のちりかかり消ゆる途上を君よいそがむ (北原白秋)
青玉のしだれ花火のちりかかり消ゆる途上を君よいそがむ 北原白秋 青玉のしだれ花火が散って消えてしまわないないうちに急ごう “青”は「青春」や「若さ」の象徴。「青玉のしだれ花火」は、額面通りの“ […]
【今日の短歌】秋来きぬと目にはさやかに見えねども風の音にぞおどろかれぬる (藤原敏行)
秋来きぬと目にはさやかに見えねども風の音にぞおどろかれぬる 藤原敏行 秋が来たと目に見えるわけではないけれど、風の音によってはっと気づかされました。 昨日ちらっと山道を散歩したのですが、どこか […]
【今日の短歌】ガソリンの投入口から立ちゆらぐ気化した影を見る真夏日 (黒﨑聡美)
「立ちゆらぐ気化した影」とは、有害物質いわゆるガソリンベーパーと呼ばれるものであり、あのツンとする匂いの正体。排気ガスと同じように、こちらも規制や技術開発によって減らそうとする動きが強まっていくんじゃないか […]
【今日の短歌】白玉の憂いをつつむ恋人がただうやうやし物もいはなく (伊藤佐千夫)
白玉の憂いをつつむ恋人がただうやうやし物もいはなく 伊藤佐千夫 伊藤佐千夫作品の代表作といえば「野菊の墓」であり、山口百恵さんや松田聖子さんなどによって何度か映画化もされています。   […]
【今日の短歌】梅の花紅の色にも似たるかな阿呼がほほにつけたくぞある (菅原道真)
大阪では7/24に天神祭が行われますが、こちらの地域(愛知県東三河)では2月25日の命日(2月25日というのは旧暦なので、グレゴリオ暦でいう命日は3月26日) のころになると、天神様をかたどった人形を飾られ […]