万葉集特集です。
今回ご紹介するのは、サンドウィッチマンのネタじゃないけど「ちょっと何言ってるのかわかんない(^^;)」と言いたくなる・・・そんな和歌です。
意味が通じないのは読解力がないから?・・・いいえ、そういうことは関係ありません。なぜなら「意味のわからない歌を詠む」というのがお題だったからです。
ある日「意味のわからない歌を作った者に褒美を遣わす」と、宴の席でこのお題を出したのが、天武天皇と新田部皇女の間に生まれた舎人新王。それに対して、大舎人安倍朝臣子祖父という人物がこのような歌をみました。
我妹子(わぎもこ)が額に生ふる双六の特負(ことひ)の牛の鞍の上の瘡(かさ) 大舎人安倍朝臣子祖父
ウチの女房のおでこに生えているのは、双六で使う牡牛の鞍の上のおできかもしれぬ
我が背子が犢鼻にする円石の吉野の山に氷魚(ひそ)そ懸(さが)れる 同上
ウチの旦那がふんどしにする円石 吉野の山のそれに氷魚がぶら下がっている
この和歌を詠んだ大舎人安倍朝臣子祖父には、銭2000文が与えられました。現実的にはありえないけど、想像してみるとなかなか面白い光景が浮かび上がりますね。