久方の光のどけき春の日にしづ心なく花の散るらむ　紀友則
光やわらかな春の日に、なぜ落ち着いた心もなく桜の花は散ってしまうのだろう。

 

こちらの地方では、ソメイヨシノはもうだいぶ散ってしまって葉桜となっています。ここ数年コロナであまりお花見に行けなかった分、今年は目で耳で舌で思い切り堪能してやるんだと、暇さえあればあちこち出掛けていました。

 

散り始めればああこれから散っていくのだなと切なくなる瞬間でもあるけど、花びらが舞ってこその桜という思いもあり、散っていかないでと思いながらはらはらと舞う花びらをもっと見ていたくて。そんな風に心揺さぶられているうちに、いつの間にか桜は散ってしまいますね。

 

散り始めたらあっという間だけど、それでも今年は長く楽しめたほうじゃないかなと思います。今は八重桜や御衣黄桜などが綺麗。

 

 

ことならば咲かずやはあらぬ桜花 見る我さへにしづ心なし　紀貫之
同じことならばいっそ咲かずにいてはくれまいか、桜の花よ。見ている私のほうの心が落ち着かなくなってしまうから

 

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