冬の澄んだ空気の中で、星々はひときわ美しく輝きます。この地方では晴天が続いており、夜空を見上げればシリウスやオリオン座などが瞬いて、その静謐な美しさに心を奪われます。

 

星座がゆっくりと動いて見えるのは、地球が自転しているから。そして、季節ごとに異なる星座が見えるのは、地球が太陽を巡る公転によるもの。こうして説明を聞けば、なんとなく理解したような気にはなるけれど、自然の摂理の中で移ろい続けるその動きを完全に掴むのは難しく感じます。ただ、「何かに押されるように」と言われれば、まさにそれは星々の移ろいを捉える見事な表現だと腑に落ちるのです。

 

また、「おのづから」という言葉には、「自然に」「ひとりでに」という意味があり、そこには宇宙や自然が持つ秩序への深い畏敬が込められています。壮大な宇宙の一端としての存在を意識させると同時に、例えばそれが「死」であったり、抗えない大河の流れのように、私たちが逆らうことのできない宿命をも感じさせます。

 

もしかしたら、私たちが「押し移る」星座を見上げているように、宿命という大河に押し流される私たちを、静かに見守っている何かがどこかに存在しているのかもしれません。そんな思いが胸をよぎります。