大根も鏑(蕪)も、根はもちろん葉っぱも栄養価が高くて、とても美味しいですよね。ウチでは大根を育てているので、大根葉を刻んで炒め物や菜飯にしてよくいただきます。一方で、鏑は購入することが多いのですが、その際は必ず葉も一緒に楽しんでいます。鏑の葉は柔らかくて繊細な食感が魅力的で、ベーコンなどとさっと炒めたり、根の部分と一緒に漬物にしたりするのが個人的なお気に入りです。大根に比べて、葉が虫に狙われやすい印象があるので、育てるには少し気を使う野菜かもしれません。

 

みどりの葉に虫食いがあろうが「よくきてくれた」と迎え入れ、根と共に刻み、味わう。虫食いの葉も「一緒に刻む」 」という考え方は、見た目の美しさや完全さだけを求めるのではなく、命あるものをすべて受け入れ大切にするという深い価値観を表しているようです。愛情をもって食材と向き合うその姿勢には、自然の恵みへの畏敬と感謝がにじみ出ています。

 

最近では物価上昇の影響で、野菜の値段が軒並み高騰していますよね。鏑に限らず、そんな中で手に入る一つひとつの野菜がとてもありがたく、貴重な野菜よ、よくきてくれたという気持ちになります。大根の皮はきんぴらに、キャベツも芯も取っておいてハンバーグや餃子のタネに入れたり。なるべくフードロスが出ないように工夫しながら、冬ならではの食卓をを楽しんでいけたらと思います。