ながらへばまたこのごろやしのばれむ憂しと見し世ぞ今は恋しき 生きながらえば今のつらさを懐かしむようになるのだろうか。あんなにつらかった過去も今となっては恋しく思うのだから。 清輔の父・藤原顕輔 […]
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【今日の短歌】チェンバロの音色にきみのお喋りも織り込まれつつ薄暮のカフェは (加藤治郎)
チェンバロという響きだけでもうお洒落。鍵盤がありながら中身は弦楽器、それがチャンバロ。華やかで優雅なバロック音楽の音色が似合うカフェならばそれなりのクラシックな大人カフェに違いないと想像します。   […]
【今日の短歌】第二波の予感の中に暮らせどもサーフボードを持たぬ人類 (俵万智)
今や、マスク・手洗い・消毒は当たり前。今日定期健診のために行った病院先では、アルコール噴射・検温からはじまり、希望者は診察の順番が回ってくるまで車で待機 (時間がくれば携帯で呼び出してくれる)というシステム […]
【今日の短歌】木には木の訛言葉があるのだろう影まわしつつ銀杏葉は落つ (平山繁美)
某所の銀杏並木をよく通るのですが、すでに黄色く色づき葉が落ち始めている箇所もあれば、青々としてまだまだこれからの箇所もあり。気候のせいなのか、今年は特にクッキリとした違いがあるような気がします。   […]
【今日の短歌】シネコンのトイレでこれから観る人ともう観た人の差がわからない (岡野大嗣)
先日、映画を観終わってそのままトイレに直行。出てくると結構な列ができていました。ギリギリセーフ。並ばなくて良かったと思うと同時に、掲出歌が浮かんできました。 これから観る人なのかもう観た人なの […]
【一口日記】曼珠沙華
「彼岸花」というだけあって、彼岸の頃には必ず咲いてくれる曼珠沙華。どんな気候だろうと見計らったかのように紅く染まる光景は、毎年のことながらどこか侘しい。 曼珠沙華一むら燃えて秋陽つよしそこすぎ […]
【今日の短歌】夕雲の輝くごとき菊の花その比喩ひとつ抱いてねむる (佐藤佐太郎)
「夕雲の輝くごとき」「その比喩ひとつ抱いてねむる」表現が圧倒的にお洒落じゃないですか? 好きなんですよね、こういう世界観。さぞや美しい菊だったのでしょうね。ありありと伝わってきます。 本日は重 […]
【今日の短歌】一匹のナメクジが紙の政治家を泣き顔に変えてゆくを見ており (佐佐木定綱)
現実としてあまりない光景だと思うんです。ナメクジが紙のうえを這っていくって。例えば、コップについていた雫の落ちた先がたまたまそのような場所だったとか。政治家の顔写真を泣き顔に変える存在としては、そのほうが自 […]
【今日の短歌】拒まれて帰るゆうぐれチャック状の傷跡のあるトマトを選ぶ (中沢直人)
拒まれてしまった背景に何があったのか・・・。相手との関係性や、どんな理由でどう拒まれたのか・・・。そこに一切触れられていません。ただ、拒まれるというのは心に深い傷を負います。好意を寄せていたのだとしたらなら […]