成人の日ですからね。

 

「その子二十」という字余りの初句から、その後の「春のうつくしきかな」まで流麗に畳みかける調べ。与謝野晶子のこの歌を知ったのはいつだったか。おそらく中学生ぐらい・・・いや小学校高学年だったかな。意味をなんとなく把握した程度でも、この歌の持つ調べの美しさは圧倒的だということだけは理解できました。

 

その流麗さは、艶やかな黒髪がサラサラと流れそのもの。

 

 

俵万智さんは、「チョコレート語訳 みだれ髪 」という著書で以下のように訳されています。
二十歳とはロングヘアーをなびかせて畏(おそ)れを知らぬ春のヴィーナス 俵万智

 

そう、若いときって畏れを知らないよね。振り返ってみると、今だったらとてもできない、若かったなぁって思うこといっぱいあるし。それがまぶしくも羨ましくもあって、与謝野晶子の掲出歌もそんな気持ちを詠んだのだと思うんです。でも考えてみれば、これから自分がもっと年を重ねていけば、今の自分に対してそう思うのかもしれません。

 

今この瞬間も、畏れを知らぬその真っ只中にずっといる・・・。そんな想いを思い起こさせてくれるのが、与謝野晶子のこの短歌です。

 

そして、新成人になられた皆様。おめでとうございます。

 

 

≪おまけ≫

私の成人のときの写真。

成人式が終わった後で、写真屋さんまで撮りに行ったんだよね。