今朝は雷雨でした。この地方、今週はなんだか雷が多いです。夜ともなればそれこそフラッシュのように稲光が空を照らし、ピカッと光るその瞬間は畏しくあり、時にハッとするほど神秘的で美しくもあります。

 

 

天雲に近く光りて鳴る神の見れば畏し見ねば悲しも 詠み人知らず
天雲が近くで光って鳴り響く雷のように、見れば畏れ多くあり見なければ悲しいものです。

 

万葉集に収められている作者不詳の歌。相手に畏怖の念を抱きつつも、見かけることさえもできないのは悲しいという身分違いの恋を詠んだもの。鳴る神とは、身分の高い男性を雷に喩えています。

 

圧縮したファイルを解凍したかのように、たった三十一文字からどこまでも妄想が広がっていき、まるで自分がそのような恋愛をしているかのように感情移入してしまう一首。