「跳ねた気がして携帯摑む」がいいですよね。あの人からかもってバッと携帯を掴むシーンとかよく見かけるし自分も経験あるけど、魚が釣れた時のあのドバッとドーパミンが出る感じ、あのときの高揚感はまさにそうなのかも。

 

釣りって、釣れなければただ待つだけだから「これの一体何が面白いの?」って感じなんだけど、ビビッとくるとその退屈がすべてふっとぶぐらいテンションがあがるもんですよね。あの感触がやみつきになるのはわからないでもないです。

 

 

この一首のみを切り取ったとき、「糸の先端が跳ねた気がして携帯摑む」のバックグラウンドの情報は何もありません。相手は恋心を抱いている人なのかもしれないし、例えば面接とかの結果待ちなのかもしれないし、悪い知らせかもと身構えたのかもしれない・・・。敢えて、そこを読み手に委ねているのもひとつのテクニック。

 

養護教員をされているという視点から見れば、コミュニティーから外れないよう常にプレッシャーを抱えている生徒を見守っている歌のような気もします。