【今日の短歌】私は、と書き出すときにもういない私こうして夏に踏み出す　(小島なお)

私は、今こうしてblogを書いています。たった今「私は、」と書いた私は、すでに過去になってしまってもういません。厳密にいえば、一秒前の自分は過去の自分だから。過去があったからこそ今の私があることは間違いないけど、私は、〇〇だったという過去の自分はもういません。いるのはこの瞬間に生きている私だけ。

瞬間瞬間を重ね、踏み出した2021の夏。

今こうしてblogを書いている私は、何を考え、何を書こうとしているのか。それもよくわかっていないままこうしてキーボードを打っていて、未来の私は、今ここにいる過去となってしまった自分の姿を見ることもなく、投稿ボタンを押していることでしょう。ドラえもんに出てくる引き出しのタイムマシンとか、バックトューザフューチャーのデロリアンとかないからね。

私は、の後に続く過去・現在・未来。私は、に続く言葉を見つけることは、すなわち自分を知るということにも繋がりますね。私は、という主語の持つ力。

ともあれ、今日は東京オリンピックの開会式の日。トラブル続きのオリンピックですが、選手のみなさん、オリンピックに携わった関係者の方々をはじめ、オリンピックを観た世界中からの「私は、」のあとに続く言葉が、希望へと繋がるものでありますように。

私は、そう願っています。