先日、誕生日を迎えた。偶然にもあの萩原朔太郎と同じ誕生日である。医者として育てたかった父との確執からはじまり、作風やエピソードから垣間見える神経質な一面。その一方で音楽好きで妹思いであることでも知られる。
口語による音楽的な調べを求め、口語自由詩の第一人者である彼は「どんな場合にも、人が自己の感情を完全に表現しようと思ったら、それは容易のわざではない。この場合には言葉は何の役にもたたない。そこには音楽と詩があるばかりである」という言葉を残している。
詩でも音楽でも、自分にとって波長が合う・合わないの調べがある。やっているうちにおのずと自分好みの調べを見出していくのだなと思う。それがその人の世界観となる。調べの波長が合う作品には自然に惹かれる。