いむといひて影にあたらぬ今宵しもわれて月みる名や立ちぬらむ 西行 忌むべきものと言われてその光が当たるのさえも避けようとする今宵だけど、無理をしてでもそんな月を見てみたいと思う。悪名の噂が立たなければいい […]
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【今日の短歌】 逢うことは雲居はるかになる神の音に聞きつつ恋ひわたるかな (紀貫之)
昨日は、七十二候の中では秋分の初候にあたる秋分の日。初候から5日間は「雷乃収声(かみなりすなわちこえをおさむ)」、すなわち暦の上では雷が収まってくる頃だと言われていますが、昨日は地元の愛知県は線状降水帯が発 […]
【今日の短歌】いかばかり嬉しからまし秋の夜の月澄む空に雲なかりせば (西行)
いかばかり嬉しからまし秋の夜の月澄む空に雲なかりせば 西行 どんなにか嬉しいでしょう。秋の夜、月の浮かぶ澄んだ空に雲がなかったのなら 今宵は中秋の名月。例年だと雨だったり雲っていたりすることが […]
【今日の短歌】ぬばたまの黒髪変かはり白髪(しらけ)ても痛き恋には逢ふ時ありけり (沙弥満誓)
ぬばたまの黒髪変はり白髪(しらけ)ても痛き恋には逢ふ時ありけり 沙弥満誓 黒髪に変わって白髪の生えるそんな歳になっても、痛みを伴うような切ない恋に出会ってしまうものなのですね 沙弥満誓は、大伴 […]
【今日の短歌】九月のしぐれの雨の山霧のいぶせき我が胸誰を見ばやまむ (作者不詳)
九月(ながつき)のしぐれの雨の山霧のいぶせき我が胸誰を見ばやまむ 作者不詳 9月の時雨の雨で山が霧がかったように気が晴れない私の胸の内は、いったい誰を見たら晴れるのでしょうか 台風の影響もあっ […]
【源氏物語】光源氏と末摘花
本日は、紅花が咲き初める「紅花栄(べにばなさかう)」 外のみに見つつ恋ひなむ紅の末摘花の色に出でずとも 詠み人知らず 遠くから眺めてお慕いしましょう。末摘花のように色に出ることはなくとも。 […]
【今日の短歌】玉に貫く楝(あふち)を宅に植ゑたらば山霍公鳥離れず来むかも (大伴書持)
玉に貫く楝(あふち)を宅に植ゑたらば山霍公鳥離れず来むかも 大伴書持 薬玉にする楝(あふち)を庭に植えたならば、ほととぎすはこの地を離れることもなくやって来るのだろうか 楝(あふち)とは栴檀( […]
【今日の短歌】いかにせむ都の春も惜しけれどなれし東の花やちるらん (熊野御前)
平清盛の三男・平宗盛に見初められ愛妾となった熊野御前。 「老いぬればさらぬ別れのありといへばいよいよ見まくほしき君かな」 と、古事までも思い出での、涙ながら書き留む。 「老いぬればさらぬ別れのありといへばい […]
【今日の短歌】雨降れば色去りやすき花桜薄き心も我思はなくに (紀貫之)
雨降れば色去りやすき花桜薄き心も我思はなくに 紀貫之 雨が降れば色が抜け去ってしまう桜花みたいな、そのような薄い心で私はあなたを想っているのではないのです。 雨に打たれて色褪せてしまう桜花を見 […]
【今日の短歌】一とせの暦を奥にまきよせてのこる日数のかずぞすくなき (藤原知家)
一とせの暦を奥にまきよせてのこる日数のかずぞすくなき 藤原知家 一年の暦を奥へと巻き寄せていけば、残り日数がいよいよ少なくなってきたことを実感する 昔は今でいうカレンダー的なものは巻物だったか […]